1.最初に何をしようかな?

ケイ「う〜ん………」
ロッソ「ん?珍しいな。何考えてるんだ?」
ケイ「あ、ちょうどいいところに……先生、物語の書き出しって結構困りません?」
ロッソ「あぁ、確かになぁ……って、オイ。」
ケイ「はい?」
ロッソ「何いきなり話書こうとしてるんだ……」
ケイ「ダメなんですか?」
ロッソ「ダメだ。絶対ダメ。どんなに熱意あっても夢あってもダメ。」
ケイ「え〜!でも、早く書きたいんですよ〜」
ロッソ「まぁ、気持ちは分かるさ…でもな、いきなり最初から書くのって危険なんだぞ。」
ケイ「え?そうなんですか……?」
ロッソ「だって、最初は何も決まってないだろ。頭の中のなんとなくで書こうとしたって自分の書こうとしている物語の中に何があって何がないのか、要素の過不足だってわからない。それじゃ書けないよな?」
ケイ「むぅ……じゃ、ど〜すればいいんですか?」
ロッソ「まずは、イメージを書き出すことだ。ノートを一冊用意して、そこに出したいキャラの情報を書く。まずは見た目。人の絵が描けなくても全身の輪郭だけでも頑張って描くんだ。性格、能力のイメージが結構出てき易いし、フリー素材やRTPを使うにしても、似た感じのものを探せばいいからな。次に性格と能力。性格、能力共に重要なのは、魅力をイメージすることだな。魅力ってのは、長所だけじゃなくて短所も含めてだぞ。」
ケイ「なんで短所が魅力なんですか?」
ロッソ「例えば、100人斬りとかやる位に強い剣士を出そうとする。まぁ、ありがちだが、普段は優しい奴で、戦闘になったら敵には容赦ない奴としよう。それだとただ単に強いだけで人っぽくないんだよな。」
ケイ「むぅ……」
ロッソ「個性ってのは性格の多面性によるところが大きいんだ。そしたら性格にもう一捻り加える。例えば…やっぱりありがちだけどな、戦闘が嫌いで、普段は平和主義なんだけど、一度攻撃されると人が変わるとか。そして戦闘の後、自分の生んだ血の海を見て激しく後悔する。そうすると、ちょっと個性(“ありがち”と“無個性”は違うぞ)が出たよな。強さがアイデンティティなんだけど、それを避けたがる。そこに葛藤が生まれて、共感もし易くなる。」
ケイ「………なんとなくわかったような………わからないような………」
ロッソ「ま、一言で言えば、一度キャラの土台を作ったら、性格能力ともに一捻り自分なりに加えてみろってことさ。その際、主人公キャラはできるだけ一般の人が共感できるような面を作ってやることが大切だぞ。」
ケイ「ふむふむ…で、そのノートにはキャラを書く他に何を書けばいいんですか?」
ロッソ「世界観だな。物語の舞台は勿論、その周辺、余裕があれば多少メチャクチャでもいいから自分なりの世界地図を描いて、気候、文化の傾向なんてのを書いておくと相対的に見れるようになるから物語の舞台設定も深くまでやれるようになるぞ。あと、物語の舞台については、人口、生活(衣食住と職)まで決めておこうな。」
ケイ「う……細かいですね。ちょっと大変かも。」
ロッソ「でも、これくらいやらないと後で多分泣くぞ……やってみればわかるけどな。」
ケイ「ですけど、早くお話書いて楽しくやりたいんですよ〜」
ロッソ「ハァ……設定が楽しいって思えないようじゃ、多分話書くのもつまらないと思うぞ。多分だけどな。」
ケイ「う〜ん……頑張ってみま〜す。」
ロッソ「ついでに、マルチシナリオみたいなのを作る場合、ショートエピソードみたいなのもメモしておいても後で話にバリエージョンをつけ易くなるかも知れないな。とにかく、アイデアはどう考えてもつかえそうにないのも片っ端から書きまくることが大切。10個のアイデアがあれば9個は捨てるぐらいの気持ちでノート一冊埋めるくらいに沢山アイデアを考えて書き留めような。」
(翌日)
ケイ「先生〜アイデア、沢山書きました〜」
ロッソ「うわぁ……本当にノート一冊埋めてきたか……」
ケイ「え?」
ロッソ「……うん、情熱は大事だよな………」
ケイ「む〜………で…これからどうするんですか?」
ロッソ「そうだな……まずは自分でよく読み返して、情報を頭に叩き込むんだ。」
ケイ「は〜い。」
(数十分経過)
ケイ「もうバッチシですよ♪」
ロッソ「よし、じゃあ話作れ。」
ケイ「え!?」
ロッソ「いや…ここまでくればもういいんだよな……」
ケイ「いきなりそう言われても……」
ロッソ「やれやれ……じゃ、これから一つ一つ教えてやるか。」
ケイ「さっすが先生♪」
ロッソ「じゃ、私はこれで……」
ケイ「あ、ちょ〜っと待ったぁ〜!」
ロッソ「何だ?メシならまだだぞ?」
ケイ「さっきの「うわぁ……本当にノート一冊埋めてきたか……」って何ですか?」
ロッソ「……………」
ケイ「まさか……一冊丸ごと書け、ってのはウソだったんですか?」
ロッソ「いや、そんなことはない……かも。」
ケイ「先生?」
ロッソ「さ〜て、今日の分の仕事をまとめておかないとな……」
ケイ「こら〜!待ちなさい〜!!」
ま……ノート一冊は無理でも、30ページくらいは書いてみようね。
ついでに、あくまでメインはキャラ。キャラが固まらないと話はメチャクチャになるよ。
(by管理人)
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